お知らせ

5月19日

森村泰昌氏の展覧会「二重拘束の美学」で
写真学科卒業生の若林久未来さんが技術協力

wakabayasi1

 

大阪市住之江区のモリムラ@ミュージアムで開催中の展覧会「森村泰昌|二重拘束の美学」に、通信教育部写真学科卒業生の若林久未来さんが技術協力で参加。若林さんが古典写真技法のヴァンダイクプリントを用いて仕上げた作品が展示されています。

 

wakabayasi2

 

モリムラ@ミュージアムは、名画の登場人物や歴史上の人物に自ら扮するセルフ・ポートレイト作品で知られる美術家、森村泰昌氏の個人美術館です。

同展覧会の第二部「あぶりだしの写真史」でキュレーターを務めた松本和史さんの企画によって、現代の森村氏の作品と、若林さんのヴァンダイクプリントなど3タイプの古典写真技法がコラボレート。“古くて新しい”表現を通して、写真というメディアのルーツをたどりながら独特の世界観にふれられる作品が展示されています。

 

wakabayasi3

森村泰昌《カフカの居る風景4》(2015/2021、写真制作=若林久未来

 

今回、森村氏が『変身』などの不条理小説で有名な作家フランツ・カフカに扮した作品が、若林さんのヴァンダイクプリントによって新たに生まれ変わりました。

ヴァンダイクプリントとは、紙に感光液を塗って印画紙を作り、手作業でセピア色の絵画のような「世界に1枚」の作品に仕上げる技法。若林さんは本学在学中にこうした古典技法に出会い、現在は古典技法の写真家として幅広く活動しています。

「日本を代表する現代美術家、森村先生とコラボできるのは大変光栄なこと。それだけに緊張とプレッシャーは大きかったです」と若林さん。

「刷毛目をミリ単位で計算するなど、自分の作品制作とはまったく違うアプローチで試行錯誤。先生に『いいね』と言っていただけてホッとしました。一流のアーティストの作品に参加できて大きな刺激を受けました」。

 

wakabayasi4

 

展覧会の期間中、館内のライブラリー&サロンには若林さん自身の作品も展示され、パンフレットでも作品や活動歴が紹介されています。

これまでフランスや韓国、ロシアなど海外でも展示を行い、古典写真教室での指導にも力を入れている若林さん。ロシアから再び招聘を受け、今秋から来年にかけてウェブ上や現地での個展を予定しています。

「この機会に少しでも多くの人に古典写真技法の魅力を知ってもらえたらうれしいですね。今回の経験を糧にして、これからも地道に活動に取り組んでいきたいと思います」。

 

 

「森村泰昌|二重拘束の美学」
会期:開催中-2021年7月11日(日)
会場:モリムラ@ミュージアム 大阪府大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F
開館時間:12:00-18:00(入館は17:00まで)
入場料:一般・大学生600円/中高生200円/小学生以下無料
https://www.morimura-at-museum.org
休館日:月-木曜(金・土・日曜のみ開館)
※新型コロナウイルスの感染拡大により休館日や会期が変更になる場合があります。最新の情報をHPでご確認ください。
(新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言により5月31日(月)まで休館いたします。)

 


 

※若林さんプロフィール・活動は以下のURL
https://art-kumi.com/
https://art-kumi.com/workshop/